沼日記

BTSの沼におちた社会人です。前世はジャニオタ でした。 きる@jetnadosuru0930

読書感想文 Think Clearly

https://www.sunmark.co.jp/detail.php?csid=3724-1


私は、今の自分は過去の自分の努力によって作られていると思っていました。大学受験頑張ったし、就活は適当だったけど入社後は仕事のために結構勉強したし、育休復帰してからはそれは毎日必死で働いたし、今の職場に来てからも新しい知識を習得するために頑張ってるし…なので、人生大成功と言わないまでもふつうに毎日楽しく健康に過ごしている、そしてそれはこれまでの努力とか頑張りによるのだと疑ってなかったんですよね。


でも↑のように考えていると、頑張ってこなかったように見える人たちを無意識に批判する思考回路になってしまいがちなのではないかと、尊敬する方たちの呟きを読んで、今更ながら最近気づきました。シンママが経済的に大変なのは自分の意思で離婚したからだし仕方ないのでは、とかつい思ってしまうこともあったんだけど、でも自分だっていつ何が起きるか分からないし、それ自己責任じゃないかって考え出すとすごくトゲトゲした気持ちになって嫌だし、そもそも自己責任論が跋扈する世の中ってなんかなーって。コロナ禍という状況でより見えてきたものがあったからかもしれない。


ただ、自己責任的な思考は頭では良くないのではないかと思いつつも、では何故自己責任という考え方ではダメなのか、自分が納得できる説明を見つけられずにいました。


そんな時、たまたま読んだこの本に、納得できる説明を見つけたんです。第十章「謙虚さを心がけよう」にある記述に衝撃を受けました。


「現代に生きている人間は、これまで地球上に存在した全人類のうちのほんの6%にすぎない」


えー!!!


「自分がローマ帝国の奴隷やエジプトの雑用係だったり、明の時代の後宮にいたりするところを想像してみてほしい。そんな環境に生まれついていたとしたら、あなたのもった能力はどのくらい活かせていただろうか?」


いや…絶対無理だ…


そして、己の遺伝子も、例えば14世紀まで遡ると祖先の数は4000人もいて、その偶然の掛け合わせの結果であると。今の自分は遺伝子の掛け合わせと環境による偶然の産物に過ぎないと書かれていました。


うーん、どれも分かりやすい数字と端的な説明で、めちゃくちゃ説得力がありました。たとえ今の自分が努力することができる状況にあるとしても、それは努力することができる環境にたまたまいるからで、その環境自体は究極的には偶然に過ぎないんだな…そう考えると、自分の努力でなんとかしてきたと思ってた自分がちょっと恥ずかしい…


そうして私は自己責任論と決別したのでした。これからはもう少し寛容な自分になれると良いな。誰のこともいたづらに責めない、優しい想像力を持った大人になりたい。